「Nerve06/eyes and ears/focus adjustment」の版間の差分

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ある点から四方八方に光が放散しているとする(図2A)。この点が眼球からある距離にあると、光はある程度広がってから水晶体に届く(B)。水晶体は屈折率をもったレンズであるため、この広がりをふたたび収束させることができる。網膜にてちょうど一点に収束した場合、Aの点をぼやけない一つの点として見ることができる。このような状態を「焦点があっている」という。次に、Aの点が無限大の距離にあったとしよう。このとき、水晶体に入る光は広がりのない平行線となる(C)。正常な目では水晶体の屈折率がもっとも小さい(レンズが薄い)とき、無限大から入る平行線が網膜で1点に収束する。しかし、この小さな屈折率(薄さ)では、ある近距離から広がりをもって水晶体に入る光は網膜より後で結像してしまう(D)。そのために、物体の距離に応じて水晶体の屈折率を増大(レンズを厚く)しなければならないのである。
ある点から四方八方に光が放散しているとする(図2A)。この点が眼球からある距離にあると、光はある程度広がってから水晶体に届く(B)。水晶体は屈折率をもったレンズであるため、この広がりをふたたび収束させることができる。網膜にてちょうど一点に収束した場合、Aの点をぼやけない一つの点として見ることができる。このような状態を「焦点があっている」という。次に、Aの点が無限大の距離にあったとしよう。このとき、水晶体に入る光は広がりのない平行線となる(C)。正常な目では水晶体の屈折率がもっとも小さい(レンズが薄い)とき、無限大から入る平行線が網膜で1点に収束する。しかし、この小さな屈折率(薄さ)では、ある近距離から広がりをもって水晶体に入る光は網膜より後で結像してしまう(D)。そのために、物体の距離に応じて水晶体の屈折率を増大(レンズを厚く)しなければならないのである。


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2012年9月6日 (木) 12:59時点における版

ある点から四方八方に光が放散しているとする(図2A)。この点が眼球からある距離にあると、光はある程度広がってから水晶体に届く(B)。水晶体は屈折率をもったレンズであるため、この広がりをふたたび収束させることができる。網膜にてちょうど一点に収束した場合、Aの点をぼやけない一つの点として見ることができる。このような状態を「焦点があっている」という。次に、Aの点が無限大の距離にあったとしよう。このとき、水晶体に入る光は広がりのない平行線となる(C)。正常な目では水晶体の屈折率がもっとも小さい(レンズが薄い)とき、無限大から入る平行線が網膜で1点に収束する。しかし、この小さな屈折率(薄さ)では、ある近距離から広がりをもって水晶体に入る光は網膜より後で結像してしまう(D)。そのために、物体の距離に応じて水晶体の屈折率を増大(レンズを厚く)しなければならないのである。

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毛様体は土星の輪のように水晶体を取り囲んでいる。水晶体は毛様体に引っ張られると薄くなる。また、毛様体の中に輪状にある毛様体筋が収縮すると、毛様体は半径が小さくなり、水晶体は厚くなる。すなわち、毛様体筋が弛緩していると毛様体の半径は大きくなり中心から離れ、水晶体を引っ張るため、水晶体は薄く屈折率は小さい。図2Cがそのような状態である。近くの点を見ようとすると、動眼神経(III)に含まれる副交感神経活動が亢進し、それに支配される毛様体筋が収縮すると毛様体は中心に向い、水晶体を引っ張る力は弱まり、水晶体は厚くなり、屈折率は大きくなる(図2B)。この調節は自律神経系により不随意的におこなわれている。

 毛様体が弛緩しているときに平行線が網膜より後に結像してしまう状態を遠視(図2E)、手前に結像してしまう場合を近視(図2F)という。遠視は水晶体の屈折率が小さいのであるから水晶体と同じ凸レンズで補正される。逆に近視では、水晶体の屈折率が相対的に大きすぎるので、水晶体とは逆の凹レンズで補正される。

 ジオプトリ(D):レンズの屈折力の単位である。焦点距離の逆数。


Challenge Quiz

1.

近点に焦点を合わせるとき、毛様体が 収縮. 弛緩 し、水晶体が 厚く. 薄く なる。