POINT!


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グルコース(ブドウ糖)(から生成したピルビン酸)は、クエン酸回路の基質である(=水素、ATPを生成する)アセチル-CoAを生成するだけではなく、クエン酸回路の「ベルトコンベア」とも言える(=クエン酸回路を促進する)オキサロ酢酸をも生成します。

脂肪酸がβ酸化を受けると、二者のうちアセチル-CoAだけが生成します。

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最初の病態として細胞内のグルコース(ブドウ糖)が減少したとしましょう。

グルコース(ブドウ糖)由来のアセチル-CoAが生成しなくなるため、グルコース(ブドウ糖)由来の水素、ATPは減少します。

クエン酸回路の「ベルトコンベア」とも言える(=クエン酸回路を促進する)オキサロ酢酸も減少します。

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この時、β酸化が亢進します。

グルコース(ブドウ糖)由来の水素、ATPは減少していますが、β酸化も水素、ATPを生成できるため、β酸化の亢進により水素、ATPの生成はほぼ元に戻ります。

同様に、グルコース(ブドウ糖)由来のアセチル-CoAは減少していますが、β酸化もアセチル-CoAを生成できるため、β酸化の亢進によりアセチル-CoAの生成はほぼ元に戻ります。

しかしながら、脂肪酸がβ酸化を受けても、クエン酸回路の「ベルトコンベア」とも言える(=クエン酸回路を促進する)オキサロ酢酸を生成することはできません。そのため、オキサロ酢酸は減少したままであり、クエン酸回路が促進されません。そして、アセチル-CoAはクエン酸(クレブス、TCA)回路に入ることができません。貯まってしまったアセチル-CoAは、別の代謝産物であるケトン体になります。

ケトン体は酸性物質ですので、pHが低下します。

Challenge Quiz

1.

細胞内のブドウ糖が不足すると、 ブドウ糖 脂肪酸 の代謝が主たるエネルギー代謝となる。

2.

細胞内のブドウ糖が不足すると、 解糖系 クエン酸(クレブス、TCA)回路 β-酸化 が低下する。

3.

細胞内のブドウ糖が不足すると、 解糖系 クエン酸(クレブス、TCA)回路 β-酸化 が亢進する。

4.

細胞内の糖が不足したために脂肪酸の代謝が亢進すると、 乳酸 ケトン体 が蓄積する。

5.

糖尿病では、 ブドウ糖 脂肪酸 の代謝が主たるエネルギー代謝となる。

6.

飢餓状態では、 ブドウ糖 脂肪酸 の代謝が主たるエネルギー代謝となる。

7.

糖尿病では主に細胞内と血中の 乳酸 ケトン体 減少 増大 する。 そのため、 アルカリ性 酸性 に傾く。

8.

絶食状態では主に細胞内と血中の 乳酸 ケトン体 減少 増大 する。